伝説によると、紀伊国の宮崎という地に鎮座していた八幡宮を勧請したといわれ、文政九年(1826)拝殿再建、文久元年(1861)神殿再建などの記録があります。
例大祭は10月第2土・日曜日に催され、「天草で最も熱狂的な祭り」としてその名が挙げられるお祭りです。
お下りは、獅子舞い奉納ののち、笛の調べにのって、牛深独特の一本鳥毛を中心に鳥居をくぐり、行列は曲に合わせて練り歩きます。例祭の当日は、獅子舞いや乙女の舞いが披露されたあと、お上りの神幸行列が始まり、「シーッ、シーッ」という掛け声とともに、ゆったりと本殿を目指します。
「県下に誇る」獅子舞いは、オス、メス2頭の獅子と玉取りによって演じられます。真に迫った牛深獅子の熱演に加え、玉取りの装束は目にも鮮やかで、一体となった妙技は観衆を魅了します。
神輿かつぎは全国唯一の「神輿かつぎ唄」を歌いながら進みます。古風でゆるりとしたこの唄は「牛深おはら」の名で親しまれ、全国の「おはら節」の中でも本来のメロディーをとどめる貴重なもので、漁師たちによって200年以上も歌い継がれています。
境内社である八坂神社の祇園祭は、旧暦6月14/15日に行われ、神幸行列では小中高生ら約50名が太鼓、笛、ホラ貝の音に合わせて鳥毛を振りながら市内を巡行します。